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「慢性痛」の陰に潜むカラダからのサイン

「慢性痛ですね。うまく付き合っていきましょう。」

医療機関や治療院で、こんな言葉をかけられたことはありませんか?

私はこれまで、何千人もの方と向き合ってきた整体師です。
その中で、今も心に深く残り、そして「後悔」となっている出来事があります。
それは――“慢性痛”と呼ばれていた痛みの奥に、命を脅かす重大な疾患が潜んでいた、ある患者さんとの出会いです。


■ 60代の税理士Yさんとの出会い

10年ほど前、Yさんという60代後半の男性が、奥様のご紹介で来院されました。
税理士事務所を経営し、数多くのクライアントを抱え、日々パソコン作業に追われる忙しい毎日。
長年、腰痛に悩まれており、整形外科やマッサージ院などに通い続けていたとのことです。

私が初めてお会いしたとき、Yさんはこう言いました。

「レントゲンやMRIでも異常はない。でも、腰が周期的にズキンと痛むんですよ。」

当時の検査では、筋肉・関節に大きな問題は見られませんでした。
腰部周辺の筋肉にアプローチすることで、1カ月もしないうちに強い痛みは改善し、普段の生活も難なく送れるようになりました。

しかし――
私は、どうしても「違和感」を拭いきれませんでした。


■ 違和感の正体は“周期的に来る激しい痛み”

Yさんの腰痛には、一つ特徴がありました。
それは、“周期的に”襲ってくる、非常に強い痛み。

日によっては、来院時に歩くのが困難なほどの症状が出ることもありましたが、施術を行うとスッと改善し、ご本人も「不思議なくらい良くなる」と笑って帰られました。

それでも私は、納得ができませんでした。

徒手検査での異常所見は少なく、画像診断も「問題なし」。
それなのに、あの激しい痛みが“周期的”に繰り返される。
私は整形外科での再検査だけでなく、内科での受診もお勧めしました。

Yさんは「先生のところに来れば治るから大丈夫だよ」と、笑顔で通院を続けてくださいました。


■ 1年後──思いがけず判明した「前立腺がん」

それから約1年が過ぎた頃、たまたま受けた血液検査で異常値が見つかり、精密検査の結果、「前立腺がん」と診断されました。

Yさんはすぐに治療を開始し、当院にはメンテナンスとして通い続けてくださいました。
そして、その後約2年。抗がん治療を続けながら、
亡くなる前日まで、私は施術を続けていました。

最後にお会いした日、Yさんはこう言いました。

「先生の治療を受けると、ご飯が食べられるから助かるんだよ。」

その言葉が、今も胸に残っています。
亡くなる前日まで、ご自身のクライアントの確定申告の心配をされていた姿も、
本当に尊敬できる、プロフェッショナルな方でした。


■ 私の後悔と、これから伝えたいこと

この体験は、私にとって忘れられない後悔となりました。

もっと早く、強く、内科の精密検査を勧めていたら――
あの違和感を“非科学的”と片付けずに、自分の感覚を信じて行動していたら――
と、今も自問することがあります。

そして今、これだけは皆さんにお伝えしたいのです。

「慢性痛」という名前で、改善の可能性を手放さないでください。

慢性痛とは、3カ月以上続く痛みのことを指しますが、
その名前のせいで、「治らないものなんだ」「うまく付き合うしかない」と諦めてしまう方がとても多いのです。

けれど、痛みには必ず“原因”があります。
それが筋肉や関節にある場合もあれば、神経や内臓、血流、自律神経、時には命に関わる病気であることもあります。


■ 痛みの声に、もっと耳を傾けてください

私はこの出来事以来、「慢性痛」という言葉の裏に隠れた“体の声”に、これまで以上に耳を傾けるようになりました。

そして今、もしこの記事を読んでくださっているあなたが――

  • 「もう何年も同じ痛みが続いている」
  • 「医者にも整体にも行ったけど、結局“慢性痛”で済まされた」
  • 「でも、何かがやっぱりおかしい気がする」

そう感じているのなら、どうかその感覚を大切にしてください。
違和感は、体があなたに教えてくれているサインかもしれません。


■ 最後に|Yさんとの約束として

このブログを書いたのは、Yさんとの出来事を通じて、
「痛みを我慢している誰かの命が、見えないところで危険にさらされているかもしれない」と感じたからです。

私は施術家として、今も後悔を抱えています。
でも、あの経験があったからこそ、痛みの奥にある“何か”を見逃さない目と心を持ち続ける覚悟ができました。

そしてそれが、Yさんとの約束だと思っています。


□ あなたの痛み、あきらめていませんか?

慢性痛で悩んでいる方、
「何か変だな」と感じている方は、
ぜひ一度、体の声を一緒に聞かせてください。

あなたの痛みには、まだ希望があるかもしれません。

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